リーバイス

「夢のカリフォリニアと永遠の定番”」-My Favorite Choice #4- / Creator’s View【Column】

こんにちは。

皆様先週の3連休はいかがお過ごしでしたか?年末年始のお休みから間もない時期という事もあり、恐らくお正月休み気分のままのびのびと休日を堪能された方も多い事と思います。また連休最終日の1月14日は【成人の日】、全国のフレッシュな若者の面々が意気揚々と賑やかな1日を過ごされた事と思います。改めて新成人の皆様、成人おめでとうございます!!

※大人の仲間入りとなった後も色々と大変な事が続いていくと思いますが、お酒が飲める様になったり喫煙が出来る様になったりと楽しいながらも自制心が問われる解禁事項も盛り沢山です。くれぐれも羽目をハズし過ぎず、一社会人としての自覚を持ちつつ存分に楽しんで下さいね!

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


★さて今週のブログは、昨年より続くDrifterのクリエイティブディレクターY・Ochiai氏による不定期コラムをお届けしたいと思います。第4弾となる今回は、最もポピュラーなファッションアイコンといっても過言ではないデニム、そして数多存在するブランドの中でも最も認知度が高い「Levi’s」ついて彼独自の視点で語って頂きます!!

▲今後も不定期でこういった内容をお送りしていく予定ですが、基本的にはDrifterのクリエイティブディレクターでもあるY.Ochiai氏の趣味趣向全開の拘りコラム(ファッション・音楽・映画)を中心にお届け致します。また注意点として、文章を組み立てる際には内容について一切検索等を行っておらず、全て本人の記憶のみで記述されています。その為一部事実と異なる場合がございますがコンセプトを尊重する為原文そのままを掲載致します。予めご了承下さい。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

=====================================

★何世代にも渡って支持されるモノや音、それらの背景には確固たる”信念”が存在する。例えばThe Beatles、Rolling Stones、QUEEN、THE WHO。またVansのauthentic、ConverseのALL STAR、Red WingのIrish Setter、そしてLevi’sのデニム。いずれも数十年の時を経ているが、未だ色褪せるどころかリアルタイムで知らない世代にとってはむしろその輝きを放つ存在なのだ。現代において生み出される様々な事象にもその様な「永遠の価値観」を与え物事の持つ普遍性という最強の概念を何とか引き出そうと各分野のクリエイターは日々必死に試行錯誤を繰り返している。

▲では遥か昔に構築された一部の”価値観”はなぜこの混沌した、情報に溢れた昨今でも根強い支持を保ち続けるのだろうか?先程挙げた「Levi’s」というアメリカを代表するブランドに焦点を当ててみようと思う。


●時は1800年代中期、西部開拓・ゴールドラッシュに湧くアメリカ・サンフランシスコ。ベイエリアにてドイツからの移民”レヴィ・シュトラウス(リーバイ・ストラウス)が幌や帆の材料であったキャンバス生地を使い、港湾労働者向けの作業用パンツ”の製造・販売を行う雑貨店・生地商「リーバイ・ストラウス社」を設立。その後”ヤコブ・デイヴィス”という人物が同社から仕入れたキャンバス地のパンツにリベット補強を施し、現在のジーンズの原型となるウエステッド・オーバーオールを完成させる。そしてリーバイスのデニムのパッチに刻まれた記念すべき1873年、ストラウスとデイヴィスは「金属リベットによる衣服の補強方法に関する特許」を取得。ここから全てが始まったのである。

※本来「デニム」という名称の由来は生地の原産地であるフランス・ニーム地方の織物「サージ・デ・ニーム」から派生したと記憶しているが、そんな外国由来の素材と「金属パーツによる補強」という技術を組み合わせ唯一無二のプロダクトが生み出された。

※シャットダウンしても入って来る過度な情報、供給過多なモノ達。現代社会において既に「全く新しい価値観」を作り出す事はいかなるジャンルにおいても非常に困難であると感じている。非常に短絡的な言い方をしてしまうと、情報の少なかった所謂”昔”の方が生み出すという工程は何かと楽だった・・・かも知れない。ただそこで生じる疑問、果たして原因はそれだけだろうか?そんな事は無いのである。もちろんあらゆる要素が重なった結果という事に間違いはないのだが、単に懐古主義的な考え方(昔の方が良かった)だけで片付けられる問題では無い。その時代の空気、場所、人の熱量、想い、信念・・・挙げればキリが無い程のエレメントと不確定要素の集合体。逆を言えばこの2018年においても向こう100年に渡って鮮度を保ち続ける「何か」を創り出す事は可能であるし、既にその「何か」はひっそりと発生している可能性すらあるのだ。


★リーバイスのデニムに話を戻そう。私自身がこのブランドと出会ったのは、以前のコラムでも少し触れた通り両親のワードローブにあった数々の501や517だった。特に父親は生活の大半でジーンズを着用していた為、むしろあまり特別な衣服という意識はなかったのかも知れない。成長するにつれて客観的に「リーバイス」というブランドを意識する様になり、少しずつ自分の中で特別な存在へと変化していった。

※本来の発祥はあくまで労働着というカテゴライズであるが、当時既に「ファッションアイテム」として認知されていた。そして映画や音楽等の影響により更にその存在はアイコン的な立ち位置へと昇華され、誰もが一度は通ると言っても過言では無い程の存在ながらも廃れる事なく第一線を歩み続けていると私は思う。

▲特にそのシルエットがほとんど変化する事なく現在も販売され続けている501というジーンズの原点であるモデルに関しては、一切の無駄は無くプロダクトとしての完成度は桁違いだ。おおよそのコーディネートにおいて全体のイメージにすんなりと溶け込み、主張し過ぎる事は無いが確固たる存在感を放つ。ジャケットやシャツ・レザーシューズやベスト等と合わせてドレッシーな雰囲気を作ったり、はたまたネルシャツやシャンブレーシャツ・スウェットやパーカー・スニーカー等といったカジュアルなアイテムと合わせてアクティブな印象を与えるコーディネートを作ったりと相性が悪いアイテムを探す方が困難な程である。

→私は両親から継承した「一貫したプロレタリアートスタイル」、常に反骨精神と体制への疑問を持ち続けるという姿勢を息子にも受け継いでもらいたいが為の言動を常日頃から意識している。動きやすいスウェットパンツやストレッチの利いたボトム、それらも時と場合によっては取り入れて当然。しかしデニムの様なお世辞にも快適な履き心地とは言い難い、スタイルや思想の表現を優先する様な衣服を身に付ける事。こういった事を習慣づけさせ、選択肢として「スタイルは全てに優先する」という私独自の理論も頭の片隅にしまっておいて欲しいと日々思っている。

▲私が衣食住の中の「衣」におけるイデオロギーとして、常に心にある”着飾る(ファッションの)為に作られたのではなく、必要が講じて作られたプロダクトをファッションとして捉える”という考え方の原点、それは正にリーバイスというブランドそのものが体現しているのではないだろうか?

※アメリカという国の「超合理的主義」に裏付けられたRED WINGのブーツやミリタリー・カレッジ・スポーツ・アウトドア系のアイテムもしかり。これらはあくまで厳しい環境での使用を想定・生産されたいわば「完全なるプロスペック」のプロダクトであり、それらが生ぬるい日常の使用環境において不足等あるはずがないのだ。こういった考え方が所謂「アメカジブーム」の出発点の様な気がするし、身の回りにある量販店に並ぶ洋服や靴・鞄等のデザインやスペック、その大半は前述のミリタリー・アウトドア・スクール・スポーツ・ハンティングがソースなのである。

→若干取り留めの無い内容になってしまったが、総括すると私にとってはどんな高級ブランドの高価なボトムスよりも”リーバイスの501”が好きだし、生涯を通じて愛用していきたいプロダクトなのだ。また同時にその素晴らしさを後世にも伝えていくという、我々世代としてはとても重要な責任も負っていると考えている。

Written by Y.Ochiai