ビートルズ

「世界を変えた四人と、独断と偏見だらけの”音楽論”」-My Favorite Choice #3- / Creator’s View【Column】

こんにちは。

9月から立て続けとなった大型の台風24号が通過した先週末の3連休、関東や近畿・東海地方等では30度を超す地域もあったり!?秋の行楽日和としてはやや汗ばむ様な陽気となりました。それでも朝晩はひんやりとした空気で、特に10月中盤辺りからはぐっと冷え込みが強まります。しっかり3連休を満喫出来た方もそうで無い方も、今週のお休みは衣替えに時間を割いてみるのもいいかも知れません。いよいよアウターにバックパックのスタイルが映える季節の到来ですね ♪


★さて、先週の「スターウォーズ」に引き続き、今週のブログもDrifterのクリエイティブディレクターY・Ochiai氏”によるコラムの第3弾をお届け致します。

※もはや詳細の説明は不要、現代のロックやポップミュージック全てに精通していたとも言われる彼らの音楽について、Ochiai氏独自の生い立ちや感性を交えた解釈で“The Beatles”を語って頂きます!

▲注意点として、文章を組み立てる際には内容について一切検索等を行っておらず、全て本人の記憶のみで記述されています。その為一部事実と異なる場合がございますがコンセプトを尊重する為原文そのままを掲載致します。また掲載されている内容は全て個人の意見であり、運営元である(株)リフトとしての主張ではありません。予めご了承下さい。



「世界を変えた四人と、独断と偏見だらけの”音楽論”」-My Favorite Choice #3-

-There is nothing conceptually better than rock & roll.-
(ロックンロールより良いものは概念的に言って存在しない)

★これはジョン・レノン1971年のインタビューで放った名言だが、僭越ながら大賛成である。

※これだけ情報過多な現代においても、やはり”ロック”というフォーマットに則ってかき鳴らされるギターやベース、ドラムの音には何物も叶わない。最新の機材で作られた、僅かな隙も無くデータ配信される楽曲もツェッペリン「ロックンロ-ル」AC/DC「バック・イン・ブラック」力強いリフとシャウトの前ではまるで歯が立たない。

※非常に主観的な意見なので賛否があって当然ではあるが、少なくとも50~70年代の特にアメリカ・イギリスで生まれた一部の音楽は「行き着く所まで行ってしまっている」と言っても過言では無い程、時代を経て尚完璧と言わざるを得ない完成度を誇るのだ。そしてそもそも方法論や技術・時代背景等が全く異なる現代の音楽と比較する事自体がナンセンスだと考えており、極論を言ってしまえば”音”という極めて抽象的・概念的・感覚的な現象を相対的に比較する事に無理がある。考えるに”音”そのものよりも実は音を奏でる人物・国籍・言動や背景等の複合的な要素を元に判断していると考えるのが妥当ではなかろうか。

※先に断っておくが、私は極端な懐古主義ではない。もちろん音楽に限らず映画やファッション等において古き良き時代の作品・プロダクトを崇拝している事に間違いはないが、だからと言って新しい風を一切拒絶する事は皆無である。寧ろ自身のアンテナに触れて感触が良ければ積極的に取り入れる事を心掛けており、変なカテゴライズやジャンルに縛られて食わず嫌いにならない様に注意している。


本筋とはだいぶ逸れてしまうが、以下に最近特に琴線に触れた音楽を紹介する(順不同)。リンクの付いた楽曲については是非PVをご覧頂き、これまで守備範囲では無かったジャンルの音に触れてもらいたい。

★「冨田ラボ(M-P-C)」、「tofubeats(RIVER)」、「きのこ帝国(金木犀の夜)」、「Alexandra Streliski(INSCAPE)」、「金子ノブアキillusions feat.SKY-HI」、「LANY(LANY)」、「KICK THE CAN CREW住所 feat.岡村靖幸」、「toe(The Future Is Now)」、「CHVRCHESOut of My Head feat.水曜日のカンパネラ」、「Good Charlotte(Actual Pain)」、「ザ50回転ズVinyl Change The World」、「SIAChandelier」、「Suede(The Blue Hour)」、「Death Cab For Cutie(Kintsugi)」、「BECKCOLORS」、「RADIOHEADA Moon Shaped Pool」、「Red Hot Chili PeppersThe Gataway」、「宇多田ヒカル(Fantome)」、「雨のパレード(Change Your Pops)」、「山下達郎(僕らの夏の夢)」、「羊文学マフラー」、「東京スカパラダイスオーケストラParadise Has No Border」、「U2(Songs of Experience)」、「Sun Kill Moon(Tiny Cities)」、「Slowdive(Slowdive)」、「Predawn(Absence)」、「PAELLASShooting Star」、「ONE OK ROCKChange」、「NulbarichAlmost There」、「MGMT(Little Dark Age)」、「Mew(Visuals)」、「mabanuaBlurred」、「Liam Gallagher(As You Were)」、「Lali Puna(Our Inventions)」、「Fishmans(Night Cruising 2018)」、「The fin(There)」、「ent(ELEMENT)」、「eastern youthSONGentoJIYU」、「Dirty Projectors(Lamp Lit Prose)」、「DEAN FUJIOKAEcho」、「Childish GambinoThis is America」、「THE CHARM PARKディスク」、「THE BONEZ(WOKE)」、「BiSHLife is beautiful」、「ASHAnnabel・・・。

▲脈絡が全く無く、しかもちょっと挙げ過ぎてしまったが、それほど迄に今年は非常に良いアーティストやアルバム(楽曲)に数多く出会えた。


※さて、長くなってしまった前置きはこれくらいにして話を本題に戻そう。私は幼少期より洗脳に近い形でビートルズを刷り込まれ、スターウォーズやその他の音楽同様現在の私を構成する要素としてとても比重が高く両親からの影響が強い。「愛」とは何か?「家族」「自由」郷愁感・センチメンタリズムが何ぞやという概念的且つ観念的なファクターはほぼビートルズやスターウォーズを通じて両親から学んだと記憶している。だが「ビートルズ」というグループやその周辺について、今更ながらここで語るのは聊か野暮なのでやめておく。

※スターウォーズという映画が私にとってもはや「一つのジャンル」になっているのと同じく、ビートルズというバンドやその音楽がジャンルやその他の壁を超越した存在という事は確かだが、「盲目的に全てが大好き」というわけでもない。これはどんなアーティストにも当てはまる事だが、自分にとってはそぐわない部分が必ずと言って良い程存在する。恐らくミュージシャンやアーティストという肩書きを持つ人は、心地よいと感じる要素を組み合わせ自分達のフィルターを通して表現しているのだから、当然と言えば当然だし同じ様な意見を持つ人は多数存在すると思う。

※だが音楽を語る時、ビートルズという存在を無視する事は到底出来ない。それほどまでに彼らは革新的でセンセーショナルな存在だし、表現者として群を抜いている。その理由を考察してみると、四人それぞれの非凡な才能や発想力・表現力・そしてのバンド周囲の奇跡的とも言える人脈。そして欠かせないのは「時代」というキーワードだろう。現在の音楽ジャンルのほとんどの基礎を構築したと言っても過言ではない程、今改めて耳にしたとしても色褪せる事の無い多彩で斬新なサウンドの数々。誰もが知る四人(ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ)だけでなく、ジョージ・マーティンブライアン・エプスタインスチュワート・サトクリフピート・ベスト等誰か一人欠けていたとしたらここまで影響力のあるアーティストにはなっていなかったかも知れない。

※私は家の外に出る時、洋服と同じくいかなる場合でも音楽は不可欠である。それは世間と自分とを隔てる「壁」であり、感情・風景とシンクロさせる「この世界」で生きていく為の無くてはならない最重要インフラの一つだ。そこで批判覚悟で言うが、ビートルズは今の世界の風景とは”ほぼ”マッチしない。だから私は基本的に屋内でしかビートルズを聴かない。これは最初に書いた両親による「刷り込み」の影響かも知れないが、じっくりと耳を傾けて聴かないと失礼な気がするし、BGMとして利用するにはあまりに存在感があり過ぎるのだ。これはもはや自分次第なのだが、要するに他の音楽と同列に扱う事が非常に難しい。これは「イーグルス」「ザ・バンド」「ボブ・ディラン」「ニール・ヤング」等のレジェンズやジャズというジャンル(バド・パウエル、ビル・エヴァンス、コルトレーンやサッチモ)にも言える事なのだが、音を聴いた段階で脳内に情景が浮かんでしまう為肉眼で見ている現実世界と意識が乖離してしまい心地良くない。

※彼らのバンドとしての歴史を見ているといつも思う事がある、それは正に人間一人の「人生」であると。誰かと出会い、別れ、喜び、悲しみ、成功や失敗を繰り返して最期の時を迎える。これほどまでに神格化された存在でありながら、誰もが共感出来るとても人間臭い道を歩んだビートルズ。そんな彼らが奏でる音はいかなる時も私達に寄り添い、時に励まし時に勇気づけてくれる。何もかもがデータ化され利便性と合理性、快適さを最優先させる現代だからこそ、こういった非常に貴重な遺産にも近い「灯」を継承していく義務があると思っている。

→さて、あまり同意の得られない話はこれまでにしてここからは独断・偏見に満ちた私の個人的なランキングを発表していく。

●【アルバム編】
1:THE BEATLES(WHITE ALBUM)
2:REVOLVER
3:Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
4:Abbey Road
5:Rubber Soul

●【楽曲編】
1:Here Comes The Sun
2:Get Back
3:Lucy In The Sky With Diamonds
4:Dear Prudence
5:Tomorrow Never Knows

▲当然の事ながら、これまでのコラム同様まだまだ語るべき事は残っている。それらについてはまた別の機会に触れたい。

Written by Y.Ochiai